アジア在来家畜 写真データベース化 牛の博物館 HPで4154枚公開【奥州】
奥州市牛の博物館(同市前沢区)は、「在来家畜研究会 アジアの在来家畜写真データベース」を20日午後1時から同館ホームページ(HP)で公開する。同研究会(会長・万年英之神戸大教授)の会員が調査時に撮影したアジア各地の在来家畜に関係する貴重な写真4154枚が閲覧可能。資料利用についても同館で対応していく。
同研究会は大学の研究者らで組織し、野生動物から現在の家畜に至る過程を生物学的、文化史学的に解明するため、アジアを中心に50年以上にわたり海外での学術調査を実施している。
同研究会の特別賛助会員である同館によると、これらの調査の際、各会員が撮影した写真のネガ・ポジフィルムなどはこれまで個々で管理されていたことから、貴重な資料の整理と活用を図るため2013年からデータベース作成に着手。同館が作業を担当し、家畜学研究所の事業費支援を受けながら、フィルムからのデジタルデータ化などを進めてきた。
データベースには、おおむね昭和40年代ごろ以降に28カ国で撮影された牛やニワトリ、ヤギ、ヒツジ、豚など在来家畜29種の写真を掲載。アジア各地の家畜原種や、牛車や馬車による輸送風景をはじめとした人々の営みと関わる家畜の姿などもある。「家畜種別」「撮影国」からの検索ができる。
データベース上の写真は同館に申請書を提出すれば利用可能で、申請書もダウンロードできるようにした。データは今後、随時追加していく予定。同館では、データを活用した写真展開催なども検討している。
作業に当たってきた同館の川田啓介主査兼上席主任学芸員は「家畜への関心を持ってもらいたいし、家畜とアジアの人々との関わりも写真を通して見てほしい」と話している。