花巻

119番、同時通訳で 花巻市消防本部 来月から導入 W杯見据え国際化に対応

花巻市消防本部の消防指令センター。外国語の119番に対し、同時通訳での対応が可能になる

 外国人からの119番通報に対応するため、花巻市消防本部は8月1日から多言語通訳サービスを導入する。夜間、休日を問わず、消防指令センターから民間事業者に電話をつなぎ、三者通話による同時通訳が可能になる。県内消防機関で初の試みで、今後増加が見込まれる外国人観光客の不便解消が期待される。

 同サービスは119番通報を受け付けた際、指令マルチパネルを介してオペレーターにワンタッチで電話をつなぎ、三者接続による同時通訳を行うことができる。救急車や災害現場では、救急隊、消防隊がオペレーターに直接通訳を依頼し、隊員と外国人傷病者が電話機を交互に受け渡しコミュニケーションを図る。

 通訳できる言語は英語、中国語、韓国語、ポルトガル語、スペイン語。事業者によると、この5言語で日本在住外国人対応言語の9割をカバーできるという。

 同本部ではこのほか、「発症時間はいつですか」「何か薬を飲んでいますか」など、救急現場で使用頻度が高い定型文を外国語の音声と画面の文字で伝えられる多言語音声翻訳アプリ「救急ボイストラ」の導入も計画。話した言葉が日本語で表記されるため聴覚障害者への活用も見込まれ、使用できるスマートフォンを8月中に管内7台の高規格救急車に配備する。

 同本部によると、市内では2012年から17年5月までに急病やけがなどで外国人9人を救急搬送。これまでに外国語での119番通報はないが、19年開催のラグビーワールドカップをはじめとする国際的なスポーツ大会などで外国人の来県が想定されることから、通訳サービスとアプリを併用して対応する考えだ。

 小田島満消防長は「同時通訳サービスはホームページや広報誌を通じてPRするほか、宿泊施設や公共施設への周知にも取り組んでいきたい。通話試験や回線の点検、アプリを活用した訓練なども実施して体制を整えたい」としている。

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