脳卒中リスク再認識 県民大会 予防へ減塩、適度な運動【岩手】
「県脳卒中予防県民大会2017」(県、脳卒中予防県民会議主催)は30日、盛岡市内で開かれた。岩手医科大脳神経外科学講座講師の吉田研二氏による基調講演などで発症のリスクを理解し、「減塩」や「適度な運動」といった生活習慣の改善へ意識を高めた。
本県は2010年に脳卒中死亡率が男女ともに全国ワーストとなり、生活習慣の改善が喫緊の健康課題となっている。同大会は県民への意識啓発を図ろうと、14年から毎年開催。4回目の今回は県内各地から約200人が参加し、基調講演をはじめ、企業・団体による予防活動報告、「イーハトーブ美魔女劇団」による健康寸劇が行われた。
基調講演では、吉田氏が脳卒中について「脳の血管が破れて出血する『脳出血』や『くも膜下出血』と、血管に血が詰まる『脳梗塞』などの種類がある」と説明。出血した場所や詰まった箇所の先から脳が壊れ、正常に働かなくなるといい、「死亡率が高く、死に至らなくても後遺症が残り介護が必要になるケースが多い」と危険性を強調した。
血液の塩分濃度が高まると血圧が上がり、脳卒中や脳梗塞のリスクが一層高まると指摘。「一日に必要な塩の量は6グラムが目安とされ、ラーメン1杯分に相当する。少ないと感じる人も多いだろうが、日本人の食事は世界的に見ても塩分過多。岩手は都道府県別でも摂取量が多いため、気を付ける必要がある」と注意を喚起した。
予防対策として▽減塩▽適度な運動▽肉や脂の摂取を控える―などを推奨。「まずは30分以上歩くことから始め、できれば週1回スポーツに取り組んでほしい。バスを一つ手前の停留所で降りて歩いたり、エレベーターではなく階段を使ったりと、日常のちょっとした心掛けも脳卒中予防につながる」と呼び掛けた。
会場には栄養士による健康相談や減塩食品の配布、血圧測定などのコーナーが設けられ、参加者に健康づくりの大切さをアピールした。