第2朝刊【おいしい地ビールを手造りしている醸造所に行ってみよう】地ビールフェスin一関

風情あるたたずまいの世嬉の一酒造「石蔵クラストン」。裏に地ビール醸造所がある

 地ビールのことが知りたければ、造っているところに行ってみよう! 地ビールフェスティバルin一関の会場近くにある「いわて蔵ビール」を訪ねました。

 「いわて蔵ビール」は大正期創業の世嬉の一酒造(佐藤航社長)が1995年に始めた地ビールブランド。岩手の素材を生かした地ビール造りに取り組み、岩手の魅力をビールで発信しています。

 醸造所では、ヴァイツェン、レッドエール、オイスタースタウトなどの定番商品や季節限定ビールなどを製造しています。「岩手らしさ」だけではなく、ビールとしてのクオリティーにもしっかりこだわり、国際コンクールでの入賞歴多数。全国各地のお店や団体とコラボレーションした少量醸造も数多く手掛け、その内容は実にバラエティー豊か。最近では鹿児島のタンカン、三陸のホヤ、陸前高田のリンゴ、コーヒーなどを使ったビールを造ったそうです。

 醸造長である後藤孝紀さんが工程全般に携わることも、分業化された大工場とは違う地ビール工場ならではの風景。各地でビアイベントがあれば佐藤社長や後藤醸造長が自ら売り込みに行くことも多く、消費者との交流がやりがいになっています。「職人が造りたいと思うビールを造れるのが、地ビールという環境だと思います」と佐藤社長。地ビール醸造所で生まれるのは、造り手の熱い思いや個性を反映したビール。地ビールのおいしさの秘密はそんなところにあるのかもしれません。

(取材協力)
いわて蔵ビール 一関市田村町5-42 ☎0191・21・1144

momottoメモ

 この記事は岩手日日第2朝刊「全国地ビールフェスティバルin一関 第20回記念ガイドブック」の記事です。