一関・平泉

音楽で古里に恩返し ブラービ!迫力の歌声 上野さん(桜町中出身)、高校生とも共演【一関】

声高らかに「カルメンより『闘牛士の歌』」を披露した上野さん(前列右)と一関修紅高音楽部員ら

 一関市出身のバリトン歌手・上野裕之さん(34)のコンサートは10日、一関市大手町の一関文化センターで開かれた。歌劇曲の独唱をはじめ、市内の高校生との共演や喜歌劇など多彩な演目を披露。迫力ある伸びやかな歌声を会場に響かせ、観客約150人を魅了した。

 上野さんは桜町中学校で合唱部に入部したのがきっかけで歌うことに魅せられ、昭和音大大学院ではオペラを専攻。大畑孝夫さん、捻金正雄さん、中村靖さんらに師事し、研鑽(けんさん)を積んだ。現在は藤原歌劇団や新国立劇場合唱団の一員として全国各地で音楽活動を展開している。

 単独コンサートは古里の人たちに音楽で恩返しをしようと、初めて開催。ともに同大学院修了で岩泉町出身の加藤美帆さん(ソプラノ)、同市千厩町出身の千葉祐佳さん(電子オルガン)のほか、一関修紅高校音楽部が共演した。

 前半ステージでは電子オルガンの柔らかな音色に乗せて独唱やデュエットを披露したほか、後半はメノッティの歌劇「電話」を日本語バージョンで情感豊かに演じ、会場が拍手で包まれた。

 同部との共演では「カルメンより『闘牛士の歌』」を熱唱。闘牛士のエスカミーリョに成り切る上野さんの力強い歌声に続き、部員28人が美しいハーモニーを響かせ、観客からは「ブラービ!」などと歓声が上がった。

 部長の佐藤優光さん(3年)は「緊張したが一緒にステージに立てて貴重な体験になった。上野さんの低い声が会場に響いていてゾクゾクした。同じ地元ととして誇りに思う」と感動していた。

 上野さんは「同級生やその親の方々の姿もあってありがたかった。お客さんにオペラの楽しさが伝わっていればうれしい」と話し、「これを機にいつも応援してくれる両親や家族、故郷に少しでも恩返ししていければ」と気持ちを新たにしていた。

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