戦争の記憶、今に もりおか女性センター ネットラジオで配信 釜石艦砲射撃の証言も【岩手】
盛岡市のもりおか女性センターは、公式ホームページ(HP)上で戦時中の女学生の生活などをテーマにしたラジオ番組を配信している。釜石艦砲射撃や集団疎開を経験した女性へのインタビュー、手記の朗読などで、戦争の記憶を伝えている。
同センターのHPでは「ラジオmjc」と銘打ち、地域住民に焦点を当てた番組を配信。今年は戦争体験者の証言を収集している戦中戦後を語りつぐ会(いわて)の箱石邦夫代表の協力を得て、戦時中の女学生の暮らしに迫った冊子「八月のあの日 乙女たちの仙人越え」の内容を紹介する番組を1月から開始。10月まで不定期に全7回の配信を予定している。
企画の基となった同冊子は、旧制釜石高等女学校(現釜石高校)の卒業生たちの手記をまとめたもの。1945年の艦砲射撃で釜石市が壊滅状況となったことや、険しい峠を越えて遠野に集団疎開した際の心境、当時の暮らしぶりなどが詳細につづられている。ラジオは1回10分程度で、当事者へのインタビューの様子、手記の朗読を中心に放送。第3回のインタビューでは、同校に在籍していた釜石市の女性2人が「爆弾の破片が木に刺さってとても危なかった」「道路に座っていたら地響きが鳴った。今のように情報が行き交う時代ではないため、何が起きているか分からなかった」などと艦砲射撃の恐怖を振り返っている。
現在第4回までを配信しており、バックナンバーは無期限で聞くことができる。31日に集団疎開の手記をテーマにした第5回を更新する。
同センター起業事業部リーダーの水野奈津代さん(47)は「釜石に住んでいる人でも、集団疎開のことを知らない人が多い。体験談は当時を知る貴重な資料なので、幅広い世代に聞いてほしい」としている。
HPアドレスは次の通り。