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川面染め伝統の送り火 盛岡舟っこ流し

竜の造形物などを据え付けた舟を燃やして先祖の霊を慰めた「盛岡舟っこ流し」

 盛岡市指定の無形民俗文化財となる伝統の送り盆行事「盛岡舟っこ流し」(盛岡舟っこ流し協賛会主催)は16日、北上川に架かる市内の明治橋上流で行われた。市民らが川面を赤く染めて燃え盛る舟を眺め、先祖の霊を慰めるとともに、無病息災を祈った。

 同行事は300年ほど前、盛岡藩4代藩主南部行信の七女・麻久子姫が、川で溺れ死んだ人の霊を供養する大法事を営んだのが始まりとされる。

 今回は北上川両岸の仙北町や南大通などから13の地区・団体が参加。へさきに竜の造形物を据え付け、ちょうちんや造花で装飾した13そうを北上川に流した。

 火が放たれると、舟は炎を上げて勢いよく燃え上がり、爆竹や花火の音を鳴らしながら、川面を華やかに照らした。

 明治橋周辺には多くの見物客が詰め掛け、舟が燃え尽きるまで静かに見守った。同市高松の佐藤一隆さん(30)は「祖母の初盆なので家族そろって見に来た。この行事を迎えると、夏の終わりを実感する。眺める位置によって雰囲気が変わるのも良い」と話していた。

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