鮮やか時代絵巻 浮牛城まつり 大名行列を再現【北上】
第11回浮牛城まつり(実行委主催、岩手日日新聞社など後援)は16日、北上市口内町内で開かれた。総勢62人による大名行列や音楽イベント、民俗芸能公演などが行われ、多くの市民や観光客らが地区の歴史と文化を紹介するまつりを堪能した。
まつりのメインイベント口内大名行列は、江戸時代の慶応2(1866)年に仙台詰めの領主が領内視察のため口内入りした様子を再現。殿様役に盛岡市出身の演歌歌手三浦わたるさん、姫役には北上市の佐藤優水さん(上野中学校3年)がそれぞれ扮(ふん)した。
大名行列は幟(のぼり)旗を先頭に、ほら貝の合図で口内地区交流センター前をスタート。「下に、下に」の声とともに御鉄砲、御徒、腰元、家老などの配役一行が浮牛城址(じょうし)公園までの約1キロを練り歩いた。
沿道には住民らが詰め掛け、三浦さんに手を振っていた。三浦さんは「初めての殿様役で、皆さんから『頑張って』と声援を頂き、地域の温かさを感じた」と語り、見物客らに笑顔で応えていた。
佐藤さんは「お姫様になった気持ちでまつりを楽しみたい」と話し、時折小雨がぱらつく中で大役を務めていた。行列の途中には草履取などの所作が披露され、沿道から拍手が送られた。
同公園に到着した三浦さんらは威勢よく餅をまいた。「であぇ~参楽舞台」と銘打ったステージ発表では、まつりPR大使で同市在住の歌手優峰さんがオリジナル曲を歌った。民俗芸能公演では、地元の団体などが鬼剣舞や鹿踊(ししおどり)などを披露した。
昆野淳一実行委員長は「大名行列には町外からも多くの人が見物に訪れ、まつりは新企画もありにぎやかさが増した。地域の目玉行事へ、参加しても楽しいまつりに発展させていきたい」と強調した。
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