平和の尊さ 絵手紙で 石鳥谷図書館 関連図書、軍事郵便も【花巻】
花巻市立石鳥谷図書館の企画展「残しておきたい絵てがみ-戦時下の思いを絵てがみにかえて」は、同市石鳥谷町の同館市民ギャラリーで開かれている。同市の絵手紙サークル会員による力作を中心に、当時の郵便物や関連図書なども展示。来館者に平和の尊さを伝えている。
絵手紙サークル「蟻灯(ありとう)の会」が制作した作品の寄贈を受け、毎年開催されている企画展。はがき大から横1メートルを超える大作までさまざまな絵手紙が並ぶほか、当時の軍事郵便や召集令状の写しなど、総作品数は300点を超える。
このうち、1945年8月10日の花巻空襲をテーマとしたコーナーでは、戦火に巻かれる花巻の町を描いた作品が多数。絵は激しい火災を伝える赤色が多く、来場者に強い印象を与えている。実体験を踏まえて制作された作品だけに「上町火の海」「命からがら逃げました」「終戦がもう少し早ければ焼け跡の苦労はなかっただろう」などの言葉があり、当時の住民の心情がしのばれる。
お盆休みを利用して来館したという横浜市の男性(65)は「花巻でも大きな空襲があったことを初めて知った。父親が横浜空襲を避難先から見ていたと聞いたが、こんな感じだったのだろうか」などと話し、一つ一つに見入っていた。
展示は20日まで。午前9時~午後6時(最終日は午後3時)。