北上・西和賀

きもの着付日本一 選手権大会目隠しの部 6年越しの悲願 北上・千田さん 仕上がり、所作完璧

全日本きもの着付選手権大会目隠し着付の部で優勝した千田さん

 日本礼美協会・日本和装学園主催の第45回全日本きもの着付選手権大会目隠し着付の部で、北上市北鬼柳の千田幸子さん(48)が優勝した。全国の指導者によるハイレベルな部門で、6年挑戦し続け悲願の頂点に立った。千田さんは「素直にうれしい。教えて下さった先生や講師、支えてくれた家族や友人に感謝したい」と喜びを新たにし、一層の精進を誓っている。

 千田さんは23歳で着付けを始め、当初は若い女性対象の振袖の部に出場。2011年に同大会のミセス部門に当たる留袖の部で優勝した。現在は北上さくら本校の正講師として後進の指導に当たる傍ら、自らも修業を積んでいる。

 目隠し着付の部は一定のキャリアを積み、講師の資格を持ち指導者としても活躍する実力者が対象で、7月23日に神戸市で開かれた同大会には全国各地から選抜された25人が出場。制限時間6分で文字通り「目隠し」して着ていく過程、着物や帯、小物、化粧、髪飾りなどトータルの仕上がりが審査される。

 千田さんは留袖の部で優勝した翌12年から目隠し着付の部に出場したが、スピードに乗れず戸惑ったという。15年には3位に入ったが16年は入賞できず、課題のスピードアップに重点を置き技に磨きを掛けてきた。

 6度目の挑戦となった今回は「自分らしくいこう」と、小花の柄の訪問着を着用。黒地の帯、黄色の帯上げという好きな色合わせで臨んだ。「過剰に意識せず、力まずにスピードにも乗れた。これ以上できないところまでできた」と本人も納得の出来で、審査でも「仕上がりの美しさや着る過程の所作、基本姿勢が完璧」と高く評価された。

 千田さんは6年越しの悲願達成の喜びをかみしめ「来年も連覇を目指し、この賞に恥じぬよう精進していきたい」とさらなる決意を示す。一方、「日本の伝統文化をなくさぬよう、楽しく着物を着てる人が一人でも増えるよう着物の魅力を伝えていきたい」と指導者としての目標を語る。

 師匠で同学園東奥羽地区総合学園長の小原優子総師範(64)は「毎年チャレンジし続けて力を付け、思いも強かった。悲願達成できて本当によかった」と、共に喜びを分かち合った。

 同地区からは近年、各部門いずれかで優勝者を輩出。今回も千田さんのほか留袖の部で村上紀子さん(奥州市水沢区)が準優勝、特別賞に菊池真理子さん(奥州市水沢区)が入り、目隠し着付の部で石井まきさん(北上市)が3位入賞を果たした。

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