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定住・交流促進策は 県、連絡協 盛岡でシンポ トークセッションで探る【岩手】

トークセッションを行う関係者

 人口減少社会に立ち向かうため都会から岩手への人の流れをつくりだす方策を考える「いわてで暮らそう!シンポジウム」(県、いわて定住・交流促進連絡協議会主催)は28日、盛岡市内のホテルで開かれた。定住・交流に関わる人たちのトークセッションや先進事例発表などを行い、本県への定住・交流の促進を目指し意見を交換した。

 県や市町村の職員、地域づくり団体のメンバーら約70人が参加した。

 トークセッションは岩手大農学部の広田純一教授がコーディネーターを務め山田秀明(長野県駒ケ根市移住・交流促進室移住相談員)、三井俊介(NPO法人SET理事長)、伊勢崎克彦(馬と暮らすまち遠野代表理事)、遠藤香津良(葛巻町いらっしゃい葛巻推進室移住定住係長)の4氏が「移住者が求める魅力ある地域について」をテーマに意見を交わした。

 この中で、地域が移住者を受け入れるメリットについて三井氏は「外部の人の視点があると地域の魅力を形にできる。しがらみがなく新しいことができるのも強みになる」と移住者の視点や発想の価値を指摘。山田氏は自らが携わった小児科医や技術者の移住事例を紹介し、「移住者の経験や知識、バイタリティーが地域や経済の活性化につながる」と強調した。

 受け入れ機運の醸成については、陸前高田市への移住者でもある三井氏が「10年後にこの地域がどうなるかというより、いかに今楽しい時間をつくれるかを大事にして過ごしてきた。そうした積み重ねによって地域の受け入れ機運も高まるのではないか」と提言。山田氏は「移住者が方々で活躍していることを知らしめることが大事。移住者が新しいことをするとよく出るくいは打たれるなどと言われるが、移住者だけに任せず、周りがその人を引き上げる努力をしたり、仕組みをつくることも必要だ」と語った。

 トークセッションに先立ち広田教授が「田園回帰 岩手と先進地の現在とこれから」と題して基調講演。山田氏は「駒ケ根市の取り組みとコーディネーターの役割」をテーマに事例を発表し、独自の取り組みを紹介しながら地域の押し売りをせず冬の寒さなどの弱点をさらけ出すこと、移住希望者の立場に立った対応を行い信頼関係をつくる大切さなどを移住相談員の心得として説いた。

 

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