北上・西和賀

地域挙げ意識高揚 体験型に多くの市民 北上市総合防災訓練

市総合防災訓練で土砂災害を受けた家屋からの救出作業に取り組む消防団員ら

 北上市の2017年度総合防災訓練は2日、同市和賀町内2会場で行われ、地域住民や防災関係者が水害・土砂災害を想定した避難手順を確認した。体験型の訓練にも多くの市民が参加し、防災意識を高めた。

 12年度から市内持ち回りで開催。地元の自主防災組織や市消防団、北上地区消防組合のほか、和賀川流域が会場となったことから北上川ダム統合管理事務所湯田ダム管理支所も初参加した。髙橋敏彦市長は「北上は災害が少ないといわれるが、台風もあり決してそうではない。北朝鮮のミサイルの空中分解・落下も考えられる。体験も交えて次に備える機会にしてほしい」とあいさつした。

 第1ステージは、和賀地区交流センターを拠点に避難訓練。大雨で避難勧告が発令されたとの想定で、住民や地元の防災団体が避難所開設や被害情報の収集などに取り組んだ。市は緊急速報のエリアメールも配信した。

 第2ステージは、ふるさと体験館「北上」で参加体験型訓練が行われた。参加することで災害時の備蓄食料などがもらえるスタンプラリーを初めて実施し、幅広い年代の市民が応急救護や初期消火などを体験した。このほか、カスリン、アイオン両台風から70年となることから、当時の被害状況などを紹介する写真パネルも展示した。

 初のペット同行避難訓練に愛猫と参加した照井優子さん(54)=同町横川目=は「考えていたより荷物が多く重い。丈夫なキャリーバッグなど必要な物が改めて分かった」と参考になった様子。和賀地区自治協議会の藤原常雄会長は「多くの住民に防災意識があるはずだが、避難訓練の参加者が少ない。ダムがあっても洪水の危険があることを地域に伝える」と気を引き締めていた。

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