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全国学力テスト “事前学習”に待った 県教委 学校現場へガイドライン【岩手】

 県教委は全国学力・学習状況調査(全国学力テスト)と県学習定着度状況調査の過去問題の適切な活用に関するガイドラインを作成した。県内でテスト前に集中的に過去問題に取り組む“事前学習”が横行し、調査本来の趣旨を損なう恐れがあることから、序列化につながるテスト対策との線引きを明確化、学校現場での有効な活用を促す。

 全国学力テストに関しては、平均点の引き上げなどを目的とした事前学習の流れが全国的に広がっている。学力を測るという趣旨にそぐわないことから、文科省は昨年4月に過度な競争が生じないよう各都道府県の教育長らに通知。県教委でもテスト直前の集中的な対策は不適切として市町村教委へ周知してきた。

 一方で県教職員組合(岩教組)が8月に公表した調査結果では、県内の公立小学校の約7割、公立中学校の約3割が事前学習として過去問題やドリルに取り組んでいる実態が判明。実施時期は小学校がテスト1~2週間前、中学校は1週間前に集中し、前学年の3学期から複数回行っている学校もあった。

 現状改善に向け、県教委は過去問題の適切な活用のためのガイドラインを作成。教科の1単位時間全てを使って過去問題に取り組ませることや、調査前の数日から数週間にわたり各教科の過去問題一式を家庭学習とすることを不適切とした。児童生徒の探求的な活動における教材としての使用や、授業の評価問題に取り入れるといった有効な活用例も示した。

 4日に各市町村教委の教育長に通知し、管内の小中学校と義務教育学校への配布と指導徹底を求めた。高橋嘉行県教育長は14日の記者会見で「調査の目的は順位争いではなく、一人ひとりにしっかりとした学力を定着させること。一夜漬けのような学習で力が付くかといった疑問もある」と指摘。「調査結果を踏まえて子供の苦手分野や課題を把握し、習熟度別授業などを行っていくことが大事だ」と強調した。

 県教委では次年度以降、ガイドラインに基づいた実態調査を予定。学校教育課の米慎司学力向上担当課長は「学力テストは質の高い問題がそろっている。調査のための練習ではなく、子供たちのために有効活用してほしい」としている。

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