花巻

研究、創作活動たたえる 宮沢賢治賞イーハトーブ賞 色川氏ら2氏1団体表彰【花巻】

贈呈式で賞状、記念品を受け取る色川氏(右)

 宮沢賢治賞・イーハトーブ賞贈呈式は22日、花巻市大通りのなはんプラザで行われた。賢治の名において顕彰されるにふさわしい実践的活動をたたえるイーハトーブ賞で、歴史家の色川大吉氏(92)=山梨県北杜市=に本賞、奉仕活動家の澁谷りつ子氏(56)=インド・コルカタ市=と「合唱団じゃがいも」=山形市=に奨励賞が贈られた。賢治研究や評論、創作活動などに対して贈られる宮沢賢治賞は本賞、奨励賞とも該当者がなかった。

 両賞は花巻市主催、宮沢賢治学会イーハトーブセンターの選考で贈られており、今回で27回目。式では同学会員ら約120人が見守る中、受賞した色川、澁谷両氏と同合唱団の鈴木義孝代表に賞状と記念品などが手渡された。

 受賞あいさつで色川氏は「思いも掛けないことで本当にありがたい。光栄であり、お礼申し上げたい」と感謝。澁谷氏は「これほどの賞を頂くのは初めて。賢治さんの足元にも及ばない私だが、少しでも近付けるよう頑張りたい」と述べ、鈴木代表は「もともとは普通の合唱団だったが、長年活動するうちにすっかり賢治ファンになり、作品も好きになった」と活動歴を振り返った。

 閉式後は同会場で、色川氏による記念講演と「じゃがいも」による記念公演を実施。色川氏は賢治作品が世界各地で読まれていることに触れつつ「『ビジテリアン大祭』という物語を読むと、賢治さんが国家とかを越えてものを考えていたことがよく分かる。(世界20数カ国で読まれるなど国際的好評価に)それほどの文学者は、ほかに日本にいない」などと賢治への思いを語った。

 また、「じゃがいも」は約30人がステージで劇を織り交ぜた独自の合唱スタイルを披露。「岩手軽便鉄道の一月」「銀河鉄道の夜」などを豊かな表現力で聞かせ、会場から拍手を受けていた。

 終了後は同センター定期大会が開催され、澁谷氏の奨励賞受賞者講演が行われるなどした。

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