一関から最高のコメを 「金色の風」初収穫始まる
最高級のフラッグシップ米として今秋デビューする県産オリジナル水稲品種「金色(こんじき)の風」の初収穫が22日、一関地方で始まった。生産者は天候不順の影響を乗り越え、全国最高水準となる良食味に期待を込めながら、黄金色に実った稲穂を刈り取った。
同日の最高気温は盛岡地方気象台調べで一関23・9度となり、秋晴れに恵まれた。JAいわて平泉管内での収穫作業は初めてで、出穂期からの積算気温で予測された刈り取り適期を迎えたことと、来年の生産に向けて標準時期を探るために行われた。
一関市中里地内にある一関第1遊水地の圃場(ほじょう)4・7ヘクタールで金色の風を育ててきた山本佳範さん(60)は、三男の昌也さん(22)と作業に当たった。コンバインのエンジン音を響かせながら稲穂を次々と刈り取り、もみをトラックに収容した。
今年は6月の低温、8月の日照不足など天候の影響が心配されたもののその後回復。市場デビューを控える金色の風は、JA全農いわてが卸売業者に販売する相対価格を60キロ当たり1万8000円程度の高値に設定するなど注目を集めている。
山本さんによると、金色の風は倒伏しやすい性質を持つことから、全体的に肥料を抑えめにするなど丹念に育てたといい、「期待に応えられるだけのコメに仕上がっていればいい。自分でも試食し、おいしくできていれば万々歳だ」と話していた。
金色の風はいわて平泉、岩手ふるさと、江刺の3JA管内の約100ヘクタールで栽培され、約500トンの生産が見込まれる。収穫作業は今月末にかけてピークを迎える。