一関・平泉

「金色の風」を求めて~生産農家の挑戦~ ①「金色の風」栽培研会長 小野正一さん(68)

収穫を控えた圃場で「金色の風は、県内の農業者全員の願いだった」と振り返る小野さん=一関市中里の一関第1遊水地

 全国最高水準の県産オリジナル米として誕生した「金色(こんじき)の風」が10月、市場デビューする。初年となる今年は、県の基準で厳選された一関・胆江地方の生産者が約100ヘクタールで栽培を担った。県が10年かけて開発したフラッグシップ米は、ブランド米競争の新風となるか。収穫期を迎えた一関地方の生産者に新品種を手掛けた実感や今後への期待を聞く。(8回続き)

やり切った自負と期待感

 金色の風は、県南産ひとめぼれで日本穀物検定協会による食味ランキングの最高評価「特A」を1994年以降通算で22回獲得している良質米産地の岩手ふるさと、江刺、いわて平泉の3JA管内で作られる。県と各JAの段階別に栽培研究会を設置し、県が作成したマニュアルに基づき栽培。食味計を使った玄米タンパク質含有率の測定などを行い、品質目標に達したコメだけが出荷される。

 一関市舞川の小野正一さん(68)は「今年はやるだけのことはやった」と振り返る。昨年は試験栽培に協力し、今年はJAいわて平泉「金色の風」栽培研究会長として仲間を牽引(けんいん)した。その分だけ、成功を願う思いは強い。「私たち農業者が県に対し、ひとめぼれを超えるような新品種を育成してほしいと要望し続け、やっとできたのが金色の風。多くの人に作ってもらうためにも、今は少数の人でトラブルを克服していく必要がある」

 春先には細菌病の影響で種のまき直しを余儀なくされ、小野さんを含む一部の圃場(ほじょう)で田植えが晩限にずれ込むアクシデントが発生。その後も県の生育診断を受けながら、ひとめぼれに比べてやや倒伏しやすいという性質や、追肥の有無による生育状況の違いなどを確認してきた。

 小野さんは「データを積み重ねて作り方が確立されれば研究会の努力も報われる」と先を見据え、「今のメンバーは長年培ったノウハウに自信を持っている人ばかり。一人も欠けずにみんなのコメが金色の風の基準をクリアしてほしい」と願う。

 2020年東京五輪・パラリンピックや輸出も視野に、同研究会は国際的に通用する農産物の第三者認証「ASIAGAP(アジアギャップ)」の取得を目指す。就農前は大手メーカーの電気技術者だった小野さんにとって工程改善やコスト削減などは得意分野で、産地ブランド力を強化する旗振り役としての奮闘は続く。

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