北上・西和賀

さくら野へ生協出店 北上ツインモールプラザ 来春新装 食品売り場 郊外店に対抗

さくら野百貨店1階の食料品売り場=北上市本通り

 北上市のツインモールプラザを管理運営する北上都心開発などは25日、同プラザ東館のさくら野百貨店北上店1階のスーパーマーケットゾーン(食料品売り場)にいわて生協が出店すると発表した。2018年の初売り後に本格的な改修工事に入り、3月末にいわて生協の売り場としてリニューアルオープンを予定。いわて生協は08年に村崎野の店舗が閉店して以来、10年ぶりの北上出店となる。

 ツインモールプラザ東西両館は00年に開店し、東館にあるさくら野百貨店北上店は核店舗として営業。ただ、食料品は市内にディスカウント店、スーパーの競合店が相次いで出店し、消費者の価格志向による値下げ競争の中で百貨店らしい商品構成に乏しくなり、当初の集客力を発揮できなくなってきたという。

 北上都心開発とさくら野百貨店は16年からともに改装計画を協議。「市中心部にも郊外店舗に対抗できる売り場を」(北上都心開発)と、県内外複数の事業者に打診。安全・安心の商品やプライベートブランドがあり、一定の集客力があるいわて生協と合意に至った。

 現在のさくら野の食料品店舗は来年の初売りまでで、スーパーマーケットゾーン約2370平方メートルが3月末から生協の売り場に変わる。一方、食料品売り場でもお中元やお歳暮のギフト需要、全国の物産展といった催事は近年も好調を維持しており、銘店、ギフト、催し物は引き続きさくら野として継続。その他のフロア、店舗もこれまで通り営業する。

 食料品売り場の従業員約50人はいわて生協に転籍、またはさくら野の店内などに配属され、雇用の影響はない見通しだ。

 北上都心開発の佐藤恒雄取締役管理部長は「市内に1万2000人余りの組合員を有する生協の売り場となることで、これまで以上の集客とにぎわい、館内の他の売り場への波及効果が期待できる。さくら野ブランドを引き続き維持しつつ、それぞれの強みをさらに強化し、ツインモールプラザ全体、中心市街地の活性化を図りたい」と強調。さくら野百貨店本社(青森市)の一戸和彦経営計画室長は「催事、物産はずっとお客さまに支持いただいている。われわれも食品以外の分野で満足を提供し、引き続き地域に貢献したい」と話した。

 いわて生協も北上で再出店を模索していた。高橋進開発施設部長は「(村崎野の店舗)閉店後、店をつくってほしいという組合員の要望、期待があった。コンパクトな中にも安全・安心でおいしい商品を提供できる店づくりに努めたい」と抱負を語っている。

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