北上・西和賀

優しさ伝わる、一針一針 鬼の館で「泣いた赤鬼クラフト展」【北上】

赤鬼と青鬼を題材にした大島さんのタペストリーが展示されている「泣いた赤鬼クラフト展」

 北上市立鬼の館(島津秀仁館長)の2017年度特別展「泣いた赤鬼クラフト展-大島八寿子 鬼の面(つら)」は、同市和賀町岩崎の同館で開かれている。児童文学「泣いた赤鬼」を題材に、布絵作家の大島さん(72)=宮城県石巻市=が古布で作ったタペストリー25組50点を展示している。

 山形県出身の童話作家浜田廣介作の「泣いた赤鬼」は、友達思いの青鬼による一芝居によって、赤鬼は人間と仲良くなった一方、このまま自分が居続けていては赤鬼に迷惑がかかると身を引いた青鬼の優しさとその気持ちを知った赤鬼の悲しさが描かれた物語。

 今回の特別展は、物語に感銘を受け、赤鬼と青鬼の顔を題材にしたタペストリーを手掛けた大島さんの作品を多くの人に知ってもらおうと、鬼をテーマにした資料を展示する同館が企画した。

 作品はどれも赤鬼と青鬼の両方の顔がかたどられており、一針一針丁寧に仕上げた作品が並んでいる。怒ったり、笑ったりさまざまな表情があり、大島さんは「皆さんの感性で自由に鑑賞してもらいたい」と語った。

 島津館長は「物語は一つだが、大島さんの手仕事で生まれた作品は一つとして同じ作品はない。一つ一つの表情を楽しんでもらいたい」と来場を呼び掛けている。

 特別展は11月12日まで。時間は午前9時~午後5時(入館は4時30分)。入館料は一般500円、高校生240円、小中学生170円。問い合わせは同館=0197(73)8488=へ。

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