花巻

検察、懲役1年6月求刑 岩手中部の官製談合 初公判・盛岡地裁 即日結審、23日判決

 岩手中部水道企業団発注の保守点検業務に絡み官製談合防止法違反と公契約関係競売入札妨害の罪に問われた、同企業団給配水課副主幹兼東和事業所長の山崎裕司被告(59)=花巻市大迫町大迫=の初公判は11日、盛岡地裁(国分史子裁判官)で開かれ、山崎被告は「(間違い)ございません」と起訴内容を全面的に認めた。論告で検察側は懲役1年6月を求刑、弁護側は執行猶予付き判決を求めて即日結審した。判決は23日に言い渡される。

 論告で検察側は、前年度と同じ業者に落札させることで自己の業務負担軽減やそれまでの付き合いから依頼を断りづらかった理由で犯行に及んだと動機を説明。入札制度、公務員の職務の公正に対する社会の信頼を失墜させたことからすると、結果は重大で身勝手な動機に酌量の余地はない。常習的犯行の一環で刑事責任は重いなどと指摘した。

 これに対し弁護側は、社会的制裁を受け深く反省しており、再犯の可能性はないなどとして社会内での更生を求めた。

 検察側の冒頭陳述で2014年から同様な犯行に手を染めたことも明らかになり、被告人質問で山崎被告は「勤務時間外や休日に軽微な業務を無償対応いただいたことに恩義を感じ、維持管理のメンテナンスを円滑にしたかった。食事をごちそうになったり、物品をいただいたことを甘く考えていた。業者と公務員の立場の境を勘違いし、安易な気持ちで続けてしまった」と動機を説明した。

 閉廷後に同企業団の佐藤三千代総務課長は「地方公務員としてあってはならないこと。今後、内部監査や第三者委員会を通じて再発防止に努めたい」とし、処分については「今後企業長と相談して決めたい」と述べた。山崎被告は9月1日付で休職処分となっている。起訴状などによると、山崎被告は、同企業団が6月27日に花巻市内で行った同市東和地区の「水処理設備保守点検業務委託」と「電気計装機械設備保守点検業務委託」の2件の指名競争入札を巡り、入札の1週間前に参加業者の関係者に指名業者と設計金額の情報を電話で漏らし、各業者に落札させ、公正な入札を妨害したとされる。

 この事件に絡んで、入札情報の漏洩(ろうえい)を依頼し情報を受け取った2業者の関係者2人は、それぞれ罰金50万円の略式命令を受けている。

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