ほらね、歌で心一つ 東日本合唱祭 380人でフィナーレ【一関】
第28回東日本合唱祭(実行委主催、岩手日日新聞社など後援)は14日、一関市大手町の一関文化センターで開かれた。県内外から招かれた合唱団5団体がトップレベルのハーモニーを響かせたほか、市内の合唱愛好者と共に総勢約380人による合同合唱を行い、歌を愛する心を通わせた。
「合唱のまち一関」を鑑賞と交流で発展させようと1990年に始まった祭典。今回はインターカレッジ男声合唱団「Voces Veritas(ヴォーチェス・ヴェリタス)」、混声合唱団「Combinir di Corista(コンビーニ・ディ・コリスタ)」、女声合唱団「しらたま」(以上東京都)、県立盛岡四高音楽部、一関グリークラブが招聘(しょうへい)団体として出演した。
聴衆約820人を前に、発足40年目に当たり同合唱祭出演は通算3回目となる一関グリークラブが、宮沢賢治の詩による「雨ニモマケズ」などで開幕を飾った。盛岡四高音楽部は客席からの入場やダンスなどを交え、若々しい歌声を響かせた。
しらたまは震災復興を祈願して平泉町の中尊寺で奉納演奏した曲などを披露。Voces-は指揮者の松下耕さんが作曲した「ほらね、」を前日交流した磐井中学校の合唱部・特設合唱部39人と共に歌った。Combinir-は洗練された混声ハーモニーを奏でた。
プログラムの最後には、市内の合唱団や個人ら約190人が一関合同合唱団として招聘団体と共演。同合唱祭顧問の岸信介さんら指揮者が交代でタクトを振り、手話付きの「歌声を世界に」、アンコール「大地讃頌(さんしょう)」まで7曲を歌い上げた。
磐井中合唱部長の今関莉緒さん(3年)は「感動で胸がいっぱい。全国レベルの合唱が会場全体に響き、気持ちが伝わってきた」と振り返った。Combinir-の竹内秀喜団長(48)は「歴史ある合唱祭に呼ばれて光栄。合同合唱では素晴らしい先生方の指導もあって心が一つになった」と余韻に浸っていた。