北上・西和賀

黒工 県大会4冠 高校ラグビー 3年連続花園へ【北上】

前半21分、黒沢尻工の根子選手(中央)がラックを抜け、右中間に2本目のトライを決める=22日、盛岡市・いわぎんスタジアム

 第97回全国高校ラグビーフットボール大会県大会(県高体連など主催)は最終日の22日、盛岡市のいわぎんスタジアムで決勝が行われ、黒沢尻工が31―14で盛岡工を破り、3年連続29度目の花園出場を決めた。

 黒沢尻工は前半8分、ナンバー8根子叶多選手(2年)が先制トライを挙げると、FWを起点に攻勢に出て17―0で折り返した。後半は今大会初めて失点したが、さらに2トライで加点するなど終始試合を優位に進めた。

 北上勢の県大会優勝は9年連続。黒沢尻工は新人戦、高総体、7人制大会でも頂点に立ち、県大会4冠を遂げた。

 全国大会は12月27日、大阪府東大阪市の花園ラグビー場で開幕する。阿部竜二主将(3年)は「今までやってきたことをしっかりと出して勝ち、素直にうれしい。全国では目標のベスト8を目指してさらに練習し、劣っているところを鍛えて向かう」と意気込んだ。

 ▽決勝

黒沢尻工31(17-014-14)14盛岡工

2トライ 流れつくる 根子選手

 黒沢尻工がFW主体の攻撃で着実に得点を積み上げた。その中心となったのは、先制を含む二つのトライで有利な流れをつくった花園経験者のナンバー8根子叶多選手(2年)だ。

 雨中戦となった決勝でパスはリスクを伴う。伊藤卓監督はFW陣に「キックの打ち合いになる。取ったボールを動かし、ねじ込もう」と指示していた。

 前半8分、敵陣ゴール前のボールにFW陣が素早く対応。根子選手が押し込み右中間に先制トライを挙げると、21分には右ラインアウトからゴールに迫り、ラックから出たボールをまたも右中間にグラウンディングして突き放した。

 根子選手は「ゴール前からはモールで攻めたかったが、相手のプレッシャーが強かった」とサイズで上回る盛岡工の力を認めながらも「チームを勢いづけられた」と会心の笑みを浮かべた。

 試合巧者ぶりを発揮した一方で、反則は九つと課題も残したゲーム。指揮官は「全国では通用しないプレーもあった。2年生も多いので、来年につながるようなチームをつくり上げたい」と花園を見据えた。

▲フィフティーンの活躍に歓喜する黒沢尻工応援席
雨に負けず声からし応援

 スタンドには黒沢尻工のラグビー部員をはじめ、父母会や全校応援の生徒ら600人以上が詰め掛け、激しい雨音に負けない声援をフィフティーンに送り続けた。

 保護者らはメインスタンド、生徒たちは芝生席に陣取り、花園出場が懸かる一戦で声をからした。応援団長の及川大和君(2年)は「黒工といえばやはりラグビーのイメージ。花園に行けるよう学校をまとめて応援したい」と意気込み、全員一丸となってチームを鼓舞した。

 終始優位の展開に、イメージカラーの赤いメガホンも激しく揺れる。ノーサイドの笛が鳴ると、歓喜の拍手が湧き起こり、選手と喜びを共にした。阿部竜二主将(3年)の父で父母会長の幸弘さん(50)は「準決勝の宮古戦と違い、最初から力を出せていた。反省点を修正し、花園で年を越せるように頑張ってほしい」と期待していた。

 

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