花巻

古里大事に画業40年 大迫出身日本画家 村田さんが作品解説【花巻】

ギャラリートークで作品を解説する村田さん(中央)

 花巻市大迫町の大迫図書館で作品展を開いている日本画家の村田林藏さん(63)=同町出身、神奈川県鎌倉市在住=は4日、同館でギャラリートークを行い、古里ゆかりの作品などを解説した。初心者向けに日本画を指導する体験企画も同時開催され、市民が創作活動に触れた。

 同館は、大迫に現在の街並みが形成されて今年で400年の節目と村田さんの画業40年に合わせ、26日までギャラリー展「我が心のふるさと大迫」を開いている。

 ギャラリートークには約30人が訪れ、展示している日本画や水彩画などを村田さんが説明。日本画「雪映岩手山」については「空に金箔(きんぱく)を張ることで、雪に覆われた山の冷たい色合いと空の暖色を対比させた」などと表現の狙いを語った。

 このほか、陸前高田市の「奇跡の一本松」と宮沢賢治の「雨ニモマケズ」の英訳を組み合わせ、駐日米大使館に寄贈した作品(複製展示)や、市役所大迫総合支所に飾られている大作「大迫讃歌」なども解説した。

 関連企画の日本画体験「初めての日本画」では、村田さんが貝殻をすりつぶした白色絵具「胡粉」などを紹介しながら指導し、児童や一般市民ら16人が富士山の絵を描いた。伊藤こころさん(大迫小学校6年)は「粉を水で溶いて色を塗るのが初めてで難しかった。上手に描けたので部屋に飾りたい」と出来栄えに満足げだった。

 小学1年生まで大迫で過ごした村田さんは、東京芸術大時代に指導を受けた平山郁夫氏との思い出も振り返り、「平山先生の『古里を大事にしなさい』という言葉をかみしめている。40年間、日本画に携わってきた結果を、原点である大迫で見ていただくのはありがたい」と話していた。

 ギャラリー展の開催時間は午前9時~午後6時。問い合わせは同図書館=0198(48)2244=へ。

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