花巻

初の実りジャムでどうぞ 大瀬川歴史ク ヤマナシ活用、果実酒も【花巻】

宮澤賢治やまなし園で収穫したヤマナシでジャム作りに励む女性たち

 花巻市石鳥谷町の大瀬川歴史クラブ(菅原得之代表)は7日、同町大瀬川の「宮澤賢治やまなし園」で初めて実を付けたヤマナシを使い、ジャム作りに挑んだ。酸味が強いながら昔は保存食として重宝されたヤマナシの味を再現するため女性らによって調理され、「程よい酸っぱさでおいしい」と手応え。同会では子供たちに試食してもらうことを計画している。

 地元大瀬川では賢治の短編童話「やまなし」の原風景になったとされるのにちなんで、石鳥谷賢治の会が2011年8月にヤマナシの苗木を広さ5アールの敷地に植え、同園と命名した。

 同会理事を務める菅原代表(75)によると、種を自宅の畑で発芽させ、生育したもので、約1メートルほどに伸びた苗木60本を同園に移植。町内の小学校などに苗木を寄贈してきた。ヤマナシは盛岡藩の飢饉(ききん)対策として屋敷に植えられ、地元にはヤマナシの山が存在していたといい、菅原代表は「冬場は保存食として煮たものを口にしていた。生のままでも食べられるが、果肉が硬く味も酸っぱいため食べる人はいなくなった。クマの好物とも聞いている」と説明する。

 育てているヤマナシの木は現在50本ほどで、クラブ役員によって約100キロを収穫。直径4センチほどの小粒の実が多いが、剪定(せんてい)などで大きな実にすることが可能だという。

 「地元の人たちに賞味してほしい」と菅原代表が地元の女性ら4人にジャム作りを依頼。大瀬川振興センター調理室ではヤマナシ10キロの皮を取る作業から始まり、細かく切った実に砂糖を混ぜてから鍋に火をかけ、時間をかけて煮込んだ。調理を始めた頃について菅原文子さん(55)は「渋みと硬いイメージがあり、おいしいジャムになるか不安」と語ったが、出来上がりには「程よい酸っぱさでおいしくなった」と満足していた。同日は合わせて果実酒作りも行った。同会では12日に大瀬川地区の親子が参加する地元の行事でジャムを試食してもらうことを計画している。

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