県内外

江刺りんご 過去最高10キロ130万円 盛岡・中央卸売市場「サンふじ」初競り

過去最高の130万円で落札された江刺りんごの主力品種「サンふじ」

 県産高級ブランドとして全国に誇る「江刺りんご」の主力品種「サンふじ」の初競りが11日、盛岡市中央卸売市場で行われ、最高品質の特選1箱(28個入り、10キロ)が、過去最高となる130万円で落札された。

 初競りには昨年より33箱少ない447箱が出荷され、生産者らが駆け付けて初競りの様子を見守った。競りが始まると仲買人の威勢のいい掛け声が響き、これまでの最高額となる昨年の120万円を10万円上回る過去最高額で同市の仲卸売業者「ベジフル姫神」が落札すると会場が沸いた。

 JA江刺によると、開花は平年並みとなったものの、9、10月の3度の台風により着果量の1割を超えるリンゴが落果する被害を受けた。それでも、品質については日中と夜の寒暖差により蜜入りもよく、ジューシーで甘みが広がるという。

 今月7日から収穫が始まっており、今年は昨年より8000箱多い10万箱を目標に、首都圏や関西方面にも出荷される。

 特選を落札した遠野市の田村りんご店では、岩谷堂箪笥(たんす)の専用箱に入れて販売する予定。同店の田村裕昭代表は「天候を想定しながら、この時期にしっかりと照準を合わせて作る生産者の技術がすごい。味が濃くて糖度も高く、完熟の香りがある」と太鼓判を押す。

 過去最高の落札額にJA江刺りんご部会の菊池敏洋部会長は「高い評価を受けたことに感謝するとともに、生産者一同率直に喜びたい」と語った。その上で「価格同様に懸けられる期待も大きいので、最後の収穫まで一生懸命やりたい」と意欲を新たにした。

地域の記事をもっと読む

県内外
2024年4月30日付
県内外
2024年4月30日付
県内外
2024年4月30日付
県内外
2024年4月30日付