奥州・金ケ崎

役場内に「美術館」 町出身洋画家 柴田さん寄贈油絵展示【金ケ崎】

柴田さん(中央)の寄贈作品常設展示開始を飾り、15日に行われた「柴田直見美術館」オープニングセレモニー

 金ケ崎町は、同町出身の洋画家柴田直見さん(82)=埼玉県狭山市=から油絵53点の寄贈を受け、これまでの寄贈作品を含め「柴田直見寄贈絵画展示コーナー」として町役場4階で常設展示する。展示を開始した15日からの1カ月間は「柴田直見美術館」と銘打って展開され、初日は柴田さんも出席してオープニングセレモニーが行われた。

 柴田さんは永岡村永栄(現金ケ崎町永栄)生まれ。国内各地やアジア、中東、欧州など世界各国を巡りながら油絵に取り組み、2009年の東京都知事賞など多数の受賞歴がある。同町には以前の町役場で個展を開催した1972年以降、幾度か作品を寄贈しており、今回を含めて総数は81点に上る。

 町財政課によると、柴田さんの構想も踏まえながら、町としてこれらの作品の鑑賞機会をつくろうと、町議会議場などがある町役場4階廊下の壁面部分を利用し、常設展示を行うこととした。1カ月間は、町民により親しみを持ってもらうため、庁舎を柴田さんの名を冠した美術館として位置付けていく。

 美術館のオープニングセレモニーには町や町議会、柴田さんの関係者、同級生らが出席。柴田さんから髙橋由一町長に絵画が寄贈された。

 髙橋町長は「郷里への思いを込め、作品を頂き本当にありがたい。直見さんの気持ちが伝わるギャラリーになれば」と感謝を込めてあいさつし、柴田さんと髙橋町長、伊藤雅章町議会議長がテープカット。来場者は世界各地の風景や人物、抽象など多様な作品世界にじっくりと触れていた。

 柴田さんは「無名の頃に地元の皆さんにお世話になったので、故郷への恩返し。ヨーロッパでは庁舎の壁面に絵を飾ることは日常的なこと。末永くこれらの絵が愛され続ける存在になることをお願いしたい」と語っていた。

 常設展示は作品を入れ替えながら行っていくほか、町内の他の公共施設での展示も検討する。

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