県内外

漆の魅力、岩手から 県とJAL 浄法寺塗でコラボ

県とJALが共同開発した漆商品をPRする(右から)室瀬氏、大西会長、達増知事、浄法寺漆産業の松沢卓生代表取締役社長
浄法寺漆産業が監修した「片口と盃セット」。片口にそろいの盃を収納できる
「片口と盃」「巖手椀」 機内カタログ、通販に

 県と日本航空(JAL)は18日、盛岡市内で記者会見を開き、県内の漆産業の振興と漆に親しむ機会の創出に向け、二戸市浄法寺町などの漆を活用した商品を共同開発したと発表した。同市の浄法寺漆産業監修の「片口と盃(さかずき)セット」、重要無形文化財保持者(人間国宝)の漆芸家監修の「巖手椀(いわてわん)セット」の2種類。来春までにJALの機内カタログや通販サイトなどを通じて販売する。

 共同開発は、6次産業化の取り組みを応援するJALの「新ジャパンプロジェクト」の一環。

 片口と盃セットは、「南部杜氏の里」と呼ばれる本県の日本酒醸造文化から発案した商品。片口は細長いスリットからスムーズに酒がつげるデザイン。高台裏にJALの鶴丸マークがあしらわれている。盃は朱色と黒色の2種で、片口にすっぽり収まるサイズとなっている。

 巖手椀セットは、人間国宝の室瀬和美氏が監修。毎日の食卓で使える飯わんと汁わんのセットで、熱伝導率が低くご飯や汁が冷めにくいのが特徴。デザインは調整中だが、黒を基調とし、高台裏に鶴丸マークを刻印する予定。木材も職人も“オール岩手”で制作する。

 いずれも50セットを販売。価格は未定。達増拓也知事は「県の漆文化を国内外に広く発信できることをうれしく思う。これをきっかけに多くの人に来県していただき、岩手と漆のファンになってもらいたい」と語った。

 JALでは2018年から県産漆に関する情報発信を本格化。漆をテーマとした県製作のビデオを国際線の機内で上映、県内で漆の植林にも取り組む。大西賢取締役会長は「漆器はしっとりと手になじむのが魅力。実際に手に取り、知ってもらうことが(漆産業の)復活ののろしとなればうれしい」としている。

momottoメモ

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