鍋の要 甘み蓄え 曲りねぎ収穫迎える【一関】
一関地方の特産品「曲りねぎ」が収穫期を迎えている。一関市弥栄のいやさか農園(小野寺泰男代表取締役社長)では、手間暇かけて育てた冬の味覚を食卓に届けようと、出荷作業に精を出している。
同農園は曲りねぎを同市弥栄地内の畑10アールで栽培している。今年は4月に植え付け、8月にはネギを畑から一度抜き取り、傾斜を付けた畝に寝かせるように植え直す「さくり返し」を行った。
さくり返しはネギにストレスを掛けることで糖度を上げる方法で、独特の軟らかさと風味を生み出している。収穫では白根を切ってしまわないように機械は使わず、手作業で掘り出している。
同農園によると、今年の曲りねぎは太さも長さも十分。冬場は鍋物の具などとして需要が高く、JAいわて平泉の規格に沿って、土を落として皮をむき、葉の長さをそろえて市場に出荷する「むきねぎ」と、皮も葉も落とさず土を付けたまま箱詰めする贈答用の「土ねぎ」を準備している。
収穫作業は12月20日頃まで行う予定。小野寺社長は「手間がかかるので生産者は減っているが、地域の伝統野菜なので頑張って作っている。新鮮な状態で食べてもらえる土ねぎがお薦めだ」と話していた。