県産アカマツのベンチ 花巻空港 復興向け民間企業が共同開発
いわて花巻空港に24日、県産アカマツを利用し開発されたベンチが設置された。県産材が持つ魅力と大手家具メーカーの商品開発力を融合させ、本県業者によって塗装を施した逸品。和の美しさと利用者ニーズに応える機能性を兼ね備え、同空港を訪れる人に岩手の魅力をアピールする。
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復興庁による「地域復興マッチング『結の場』」に参加したマルヒ製材(久慈市)とイトーキ(大阪市)が2015年、製品開発に着手。県産アカマツの良さを最大限に活用したロビー家具「iVas(アイヴァス)」のベンチモデルとして16年12月に完成し、今秋まで首相官邸に展示されていた。
同空港1階チェックインロビーと、2階の国際線出国待合室に1基ずつ設置。1階ロビー用には、自然塗料製造販売のシオン(矢巾町)による技術を生かし、県のPRキャラクター「わんこきょうだい」が描かれている。
ベンチは横2メートル、奥行き1メートルほどで、いざというときには体を横たえることも可能なビッグサイズ。高さを約40センチに抑え、腰掛けた膝上での携帯端末操作など、ビジネスマンにも配慮した設計となっている。
県産アカマツは利用分野が限られていたが、課題だったやにの染み出しを防ぐ技術が開発され、広範な使用が可能になった。東日本大震災からの復興に寄与するものとして、本県林業者が期待を寄せている素材でもある。
イトーキ復興プロジェクト室の柏﨑寛室長は「木目の美しさや腐りにくさが県産アカマツの魅力。復興と地域経済の活性化、岩手のPRにつながれば」と話している。