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医療、福祉、教育一体的に 県立療育センター、盛岡となん支援学校 新施設が完成【岩手】

県立療育センターと盛岡となん支援学校が一体となった新施設
盛岡となん支援学校の児童生徒と共にくす玉を割り、新施設の完成を祝う関係者

 県立療育センター・県立盛岡となん支援学校の移転新築落成式は29日、矢巾町藤沢の現地で行われ、関係者が新施設の完成を祝った。別々だった両施設が連結し、医療、福祉、教育が一体的に提供される施設へと生まれ変わったことで、さらなる障害児支援の充実が期待される。

 同センターは1957年、肢体不自由児施設・都南学園として盛岡市手代森地区に開園。入所病床をはじめ、外来診療、同校分教室などの機能を備え、県内唯一の総合的な障害児療育拠点となった。建物が老朽化したことから、2013年に移転新築を計画。これに伴い、道路を挟んで隣接していた同校本校を一体化させることにした。

 新施設は鉄筋コンクリート造り地上3階建てで、延べ床面積は2万1919平方メートル。岩手医科大附属病院が移転新築される敷地に総工事費約96億円で整備された。

 同センターは従来の肢体不自由児対応病床(30人)に加え、重症心身障害児対応病床(20人)、在宅重症児の重篤化を想定した一般対応病床(10人)を新設。外来診療では、耳鼻咽喉科、眼科、リハビリテーション科を増やした。高画質による診断が可能な1・5テスラのMRI(超伝導磁気共鳴断層撮影装置)などの最新医療機器も備え、障害児に対応した医療機能を強化する。

 同校は肢体不自由児を対象とした特別支援学校で、現在は小学部から高等部まで114人が在籍している。同センターに入所する26人は、これまで分教室のみで教育を受けていたが、今回の移転新築により、本校の児童生徒と共に学べるようになる。教職員は同センターの医療やリハビリ、福祉の専門家と連携し、指導の充実や教育の専門性の向上を図る。

 式には関係者ら約250人が出席。達増拓也知事は「療育センターと支援学校が緊密に連携することで、さまざまな障害のある児童生徒一人ひとりに応じた支援体制を強化していきたい」と式辞を述べた。同校の児童生徒らと共にくす玉を割り、生まれ変わった新施設の完成を祝った。

 同センターは18年1月5日に開所、同校は1月4日に開校する。

 

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