来る年に期待込め 毛越寺 八重桜作りが最盛期【平泉】
平泉町の毛越寺(藤里明久貫主)で、新年に同寺境内の諸堂に飾る八重桜作りが最盛期を迎えている。桜をかたどった和紙の飾り花で、僧侶や職員らが新年への期待を込めて作業に精を出している。
八重桜は、新年に合わせて常行堂や開山堂、位牌堂に飾られるほか、国重要無形民俗文化財「延年の舞」の小道具に使われる。花びらのように型抜きして縁を染料で赤く染めた和紙を折り、10枚をのりで貼り合わせて一つの花に仕上げる。
花は300個余りを作り、桜の木の枝に取り付ける。11月中旬に始まった作業は終盤を迎えており、7日は職員や僧侶4人が和紙を貼り合わせ、次々と仕上げられていく飾り花で作業場は華やいだ雰囲気に包まれた。
花作りは初めてという同寺僧侶の南洞法玲さん(38)は細かい作業の積み重ねで仕上がっていることに感心し、「あっという間に1年が過ぎる忙しい年だった。来年も多くの方に来ていただき良い1年になれば」と話していた。
同寺によると、正月三が日は約7万5000人の人出が見込まれ、年末は新年の準備で慌ただしい日が続く。28日は諸堂に備える餅つきや大しめ縄の飾り付け、30日には破魔矢や熊手など縁起物の加持祈祷(きとう)なども行われる。