一関・平泉

浄法寺漆産業 大東に新拠点 国産漆生産効率化へ【一関】

一関市大東町沖田の漆林を視察する浄法寺漆産業の松沢代表取締役(中央)ら
来月事業所開設、地元雇用も

 国産漆の精製や漆工芸品の制作、販売などを担う浄法寺漆産業(盛岡市、松沢卓生代表取締役)は、一関市大東町に国産漆製造の拠点を整備する方針だ。「衝撃波破砕技術」の導入と、現在分散している漆の採取地を集約することで文化財建造物や仏像、工芸品の修理、修繕に必要な国産漆の生産効率化を目指す。

 現在国内で消費される漆の98%は中国産。文化財の修理、修復には年間2~3トンの国産漆が必要とされるが、専門の漆かき職人によって10年以上育てた1本の木から取れる漆は約200グラムで、国内の総生産量は年間1トン程度にとどまっている。

 同社は沖縄県の沖縄工業高等専門学校と連携し、同校が開発した衝撃波破砕技術を導入。これまでは10年以上育てた木から数カ月かけて採取していた漆を植樹から5年程度で取ることができる。二戸市に次ぐ新たな漆産地として、かつて浄法寺の職人もたびたび訪れた歴史があり、現在も漆林が点在する一関市大東町に着目した。

 拠点づくりは、「1000年後の未来へ繋(つな)げる、漆採取のイノベーションによる漆生産の効率化」プロジェクトとして一般社団法人農林水産業みらい基金(東京都)の補助事業に採択され、2019年度まで3年間で約5000万円の支援を受ける。新たな産地を生み出すだけでなく、18年1月中に同町丑石地区に一関大東漆事業所を設けて地元から数人の雇用を見込み、漆を活用した地域集落の活性化にも取り組む。

 13日は松沢代表取締役と県、一関農業改良普及センター職員ら関係者15人が同町沖田地内の漆林などを視察。5年前に植樹された漆を確認した松沢代表取締役は「衝撃波破砕技術を使えば、これらの木からすぐにでも十分な漆が取れる。(二戸市と)ともに岩手の漆産地として拠点化を図っていきたい」と話した。

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