一関・平泉

寒風が育む郷土の味 凍り豆腐作り始まる 一関

一関市萩荘の山間の風土を生かした凍り豆腐作り

 一関市萩荘の千葉敬一さん(75)方で、凍り豆腐作りが始まった。イグサで編み込まれた豆腐が屋外の棚に並べられ、山里に本格的な冬の訪れを感じさせている。

 千葉さん方では、150年ほど前から家で豆腐作りを行っており、千葉さんで7代目。「凍(しみ)どうふ」で知られる凍り豆腐は、鍋や煮物などに好適だとして冬場に引き合いが多い。

 豆腐を切って冷凍庫で凍らせた物を、冷蔵庫で熟成させる。豆腐を柔らかくしたイグサで8枚ずつ編み込み、屋外に設けた棚に並べる。夜に凍った豆腐が日中に解けて、山間に吹く風にさらされると乾燥が進む。熟成と乾燥の具合を見ながら、4日から1週間程度で2束(32枚)ずつ袋に詰めて出荷する。

 今年の作業は11月末から準備を進め、今月5日に干し始めたという。今週初めからの雪が残る中、14日も作業が行われ、手伝いの近所の女性らが棚に掛け、天日と山間の風に熟成を委ねた。

 千葉さんは「『待ってるから』という声が多くて、一日も早く出したいと思う。今年は材料のナンブシロメの出来が良かったからおいしいはず」と話している。

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