花巻

心の輪を広げる作文コン 駒場さん(花巻)が最優秀 障害、仲間と支え合う

最優秀賞受賞を報告した駒場さん(右)と妻幸子さん

 花巻市二枚橋の駒場恒雄さん(71)は、内閣府主催の2017年度「心の輪を広げる体験作文コンクール」高校生・一般部門で最優秀賞の内閣総理大臣賞に輝いた。手足が不自由になる「筋ジストロフィー」を発症し偏見に苦しんだが、同じ病気の仲間との交流などを通じて前向きになった経験をつづっている。14日に県庁の八重樫幸治保健福祉部長を表敬訪問し、受賞の喜びを報告した。

 駒場さんは公務員として働いていたが、30歳ごろから手足に違和感を覚えるようになり、35歳の時に筋ジストロフィーと診断。病気の苦しみを地元新聞に投稿したところ、同じ悩みを持つ人たちから励ましや感謝の電話があり、不安解消や自信につながったという。

 退職後、病気理解を深めようと日本筋ジストロフィー協会岩手支部に入会した。仲間と交流するうち、病気や障害の体験者として情報提供することの大切さを実感。市の委嘱を受け、身体障害者相談員として10年以上活動している。作文で「障害に悩み苦しんだ体験が役立つ人生は予想もしていなかった」と振り返り、「残された(体の)機能と命は燃え尽きるまで、負い目を感じることなく一生の仕事として続いている」と結んでいる。

 14日は駒場さんと妻の幸子さん(70)らが県庁を訪問。八重樫部長は「(家族や仲間と)共に生き、支え合っているというのが素晴らしい」とたたえた。

 同部門には全国から681人が応募。駒場さんはこれまで二度佳作を受賞しているが、最優秀賞は今回が初めて。「自分史のつもりで書いたので、(受賞には)驚いた」とはにかみながらも、「病気になってたくさんの人と出会い、ものの見方が変わった。障害があり、病気が進行してもまだやれることがある、こんなことができるというのを(作文を通じて)伝えたかった」と語っていた。

 15日に花巻市役所でも受賞報告する。

地域の記事をもっと読む

花巻
2024年5月2日付
花巻
2024年5月2日付
花巻
2024年5月2日付
花巻
2024年5月2日付