自分研究も大事 外崎選手ら富士大OB 小中学生に野球指導【花巻】
プロ野球で活躍する富士大OBらが講師を務める交流野球教室(富士大スポーツ振興アカデミー主催)が23日、花巻市下根子の同大スポーツセンターで開かれた。プロ、社会人野球でプレーする同大硬式野球部出身の選手が、県内の小中学生に基礎技術や効果的な練習法、上達の心構えなどを伝えた。
講師陣は西武の山川穂高選手、外崎修汰選手、阪神の小野泰己投手らプロ選手のほか、全日本大学野球選手権で準優勝した2009年チームの夏井大吉主将(室蘭シャークス)、エースの守安玲緒投手(三菱重工神戸・高砂)ら計11人。午前は小学生約170人、午後は中学生約160人が参加し、打撃や守備など四つのグループを回って技術を学んだ。
バッティングを教えた山川選手は「インコースの打ち方は、真ん中を振る形から肘を引く感覚。強い打球を打つには踏み込むこと」「スイングの足の運びと、毎日のキャッチボールで投げる時の足の運びを近づけた方がいい」などと打撃理論を説明し、「自分自身のことをしっかり研究することも大切。できること、できないことを分かった上で練習に生かしてみよう」と呼び掛けた。
守備を指導した外崎選手は、ゴロを捕球する基本態勢をしっかり意識することや、自分の間を取って打球に向き合うことなどを強調し、繰り返し手本を示した。小野投手は子供たちからコントロールに関する質問が寄せられ、「構えている所ではなく、構えている辺りに投げると考えた方が良い」と回答した。
水沢リトルリーグマイナーの千田丈一朗君(南都田小学校4年)は「外崎選手から、ゴロにしっかり手を添え、ストレートの握りで投げることを教わった」と参考になった様子。矢沢中学校野球部主将の佐藤史弥君(2年)は「山川選手はスイングが速かった。タイミングをゆったり大きく取るように説明していたので、素振りなどで試したい。教わったことをチーム全員で練習に生かしたい」と話していた。
富士大交流野球教室に臨んだ山川穂高、外崎修汰選手(ともに西武)、小野泰己投手(阪神)のプロ3選手は、母校や県民の応援に感謝を示すとともに来シーズンの活躍を期した。
山川選手は「4年間お世話になり、応援してもらっている富士大に恩返ししたかった」と思いを語った。プロ4年目の今季は7月以降1軍に定着して4番を務め、出場78試合で23本塁打、61打点をマークした。外崎選手とともにアジアプロ野球チャンピオンシップの日本代表に選出。「いろいろ経験できた年。1軍で結果を残せたのは精神面で成長できたからだと思う。来シーズンは足りない部分を直したい」と力を込めた。
3年目の外崎選手は今季、内外野どこでも守れる強みを生かして135試合に出場し、打率2割5分8厘、10本塁打、23盗塁。アジアチャンピオンシップでは優勝の立役者としてMVPに選ばれた。「監督の我慢強い起用、多くの応援が今年の成績につながった。良い形でシーズンを終えられた」と振り返り、「来年は気持ちを切り替え、30盗塁を目指す。三振を減らせば打率、出塁率がおのずと上がってくると思う」と話した。
2勝7敗でルーキーイヤーを終えた小野投手は「1年間しっかり1軍のローテーションを守り、2桁勝利できるようにゲームを作りたい」と2年目の飛躍を誓った。

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