雪の下、出荷待つ 本寺で栽培の紫大根【一関】
雪が降り積もった一関市厳美町本寺地区の農業佐藤弘征さん(73)方の圃場(ほじょう)で、紫色の大根が出荷に向けて育っている。
大根は「味いちばん紫」という品種で、特徴は根全体が紫になることと、甘みがあって生食にも向くということ。東京都内の業者との取引の中で依頼を受けて生産し始めた。
佐藤さんは秋から出荷しているが、ここからは「雪の下で育っている」ことを売りに販売するという。雪の下で育っている野菜の写真を業者に送ったところ、好感触を示しているという。
28日には雪が降り積もり、味いちばん紫が植えられている圃場は60センチほどの雪に覆われた。雪を掘り起こすと、濃い緑の葉と紫の根はじっくりと出荷を待っていた。
佐藤さんによると、既に年明けの注文が入っているといい、箱詰めして5日には東京に向けて発送する。
佐藤さんは「雪深さも本寺のオリジナルと捉えている。味いちばん紫もだいぶ軌道に乗ってきたので、今後は年中出荷できるような工夫を考えたい」と話している。