北上・西和賀

火を消し愛燃やす 菅原俊さん、香奈子さん 消防団が縁結び【北上】

今年も夫婦そろって消防団活動へ決意を示す菅原俊さん、香奈子さん夫妻

 北上市内で消防団をきっかけに結ばれた夫婦がいる。ともに市内出身で同市中野町2丁目の菅原俊さん(40)と香奈子さん(28)。仕事と家庭を両立しながら団の訓練や行事をこなし、緊急時には出動する。夫婦として迎える初めての新年。2018年も地域の防火、防災への決意を新たにする。

 俊さんは地域の先輩の勧誘で、高校卒業後に18歳で市消防団に入った。香奈子さんも知人に誘われ、15年12月に俊さんの所属する2分団2部に入団。団活動を通じて互いに引かれ合い、17年9月に入籍した。

 俊さんは大工の傍ら活動。土日は訓練、行事も多く、火災や災害時には昼夜を問わず出動してきた。「仕事との両立は大変だが、地域の防火防災に少しでも役に立てればと思ってきた。知り合いも多くなり、人とのつながりもできた」とやりがいを語る。

 香奈子さんは部内で唯一の女性団員。「消防団が男ばかりとも分からず『まずやってみよう』と入団した」という。普段は会社勤めと家事をこなしながら、団の訓練や行事にも参加し操法大会ではホース巻きなどを担当。出動時は後方支援に当たっている。「みんな気を使ってくれて、不便さを感じたことはない。何をするにもチームワークの大切さを学んだ」と目を輝かせる。

 俊さんは17年4月に部長に昇任。香奈子さんは「みんなを引っ張っていくリーダーとして頼もしい」と尊敬のまなざしを向け、俊さんは「自分でできることを探し、向上心を持ってやろうとしている」と香奈子さんを評価。団活動では部長と一団員としての立場をしっかりと区別している。

 大会前は共に仕事前に早朝訓練をこなし、週末も行事などで多忙だが、良かったと思えるのは「一緒に活動し、互いに大変さを理解し合えること」と口をそろえる。

 市内や県内各自治体が消防団員不足に悩む中、同部は定員18人を充足。20代は香奈子さんを含め4人、30代も7人在籍する。俊さんは「幸い若手には恵まれている。若い人が気兼ねなく来られる雰囲気を大事している」と強調。「今後も若い人が入団し、しっかり活動してもらえるようやりがいを伝えていく」と、消防団の魅力発信にも努めるつもりだ。

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