一関・平泉

東山・若水くみ中尊寺へ 明るい年 願い込め【一関・平泉】

「六根清浄、御山繁盛」と声を発しながら月見坂を上る一行

 藤原秀衡公ゆかりの故事に倣い、元朝に一関市東山町松川の磐井清水でくんだ若水を平泉町の中尊寺に届ける「磐井清水若水送り」(実行委主催)が1日に行われた。地域住民と一般参加者約180人が真夜中から夜明けにかけて約20キロを歩いて若水を運び、明るい年になるよう祈りを込めた。

 冷たい雨の降る中、稚児役の岩渕晃輝君(東山小学校1年)と父で介添え役の徳晃さん(54)が磐井清水から若水をくんでたるに入れ、午前1時30分ごろ桧笠(ひがさ)、狩衣、白装束を身に着けた一行が出発。懐中電灯やちょうちんの明かりで足元を照らしながら雪の積もった奈良坂、東岳両峠を越え、途中の番所で休憩を取りながら、約6時間かけて同寺に到着した。

 朝霧に煙る月見坂を「六根清浄、御山繁盛」の掛け声と共に上った一行は、同寺本堂で「若水進上の儀」を執り行い、山田俊和貫首に若水を進上。金色堂にも若水を奉納した。稚児役を務めた晃輝君と徳晃さんは「行事への参加は初めてだったが、無事に終わることができてほっとしている」と語っていた。

 若水送りは、1993年に平安時代の故事を基に再現して以来、新年の行事として定着している。安東正利実行委員長は「道には滑る所もあったが、無事にたどり着けて良かった」と話していた。

▲磐井清水から若水をくみ上げる晃輝君(右から2人目)と父徳晃さん(右)

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