一関・平泉

水稲、麦 作柄は良 藤沢・白澤神社 「御例」でご託宣【一関】

わらを燃やしてかゆを炊き、1年の天候と作柄を占った白澤神社の「御例」

 一関市藤沢町西口の白澤神社(小野稲男宮司)で7日夜、今年の天候と農作物の作柄を占う正月恒例の「御例(おためし)」が行われた。天候に不安はあるものの、水稲や麦など農作物の作柄は良いとの“ご託宣”に、関係者も安堵(あんど)した。

 「御例」はかゆ占いの一種で、450年以上続く同神社の伝統行事。小さな竹筒を米、塩と共に鍋に入れ、わらを燃やしてかゆを炊き、竹筒に入った米粒の数で天候や作柄を占う。

 鍋に入れる竹筒は19本で、それぞれに天候を判断する「日」「雨」「風」と、農作物の名が書かれている。竹筒の中の米粒が少ないと振るわず、多いと作柄に恵まれるとされる。

 同夜は、雑木林に囲まれた山中の境内に小野宮司や氏子、住民ら20人が集まった。祝詞に続いて玉串をささげ、五穀豊穣(ほうじょう)を願い、灯明のろうそくからわらに火を移してかゆを炊いた。

 炊き上がるまでの間、黄色い装束をまとった氏子が、田起こしから脱穀まで米作りの作業を再現。「精出せ」を意味する「セーヤレ、セーヤレ、セーヤレナ」と声を合わせて豊穣を祈願した。

 竹筒の中の米粒を数えた結果、「日」が2、「雨」と「風」は1で天候に不安が残った。一方で、米の作柄は「わせ」が5、「なかて」が7、「おくて」は6となった。

 その他の作物では「小麦」が8、「大豆」「ごま」「あさ」が7、「そば」が6、「大麦」が5などだった。

 水稲は「わせ」「なかて」「おくて」とも作柄に恵まれそうで、神事を見守った氏子らも胸をなで下ろした。小野宮司は「雨や風が心配だが、米や麦などの穀類は期待が持てる。努力によって作柄は良くなり、みんなで良い年にしたい」と語っていた。

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