北上・西和賀

鬼剣舞や鹿踊、漫画に 週刊雑誌に不定期連載

本県の郷土芸能を題材に描いた漫画「鬼踊れ!!」の単行本1巻の表紙(芳文社提供)
本県の郷土芸能 魅力紹介

 鬼剣舞や鹿踊(ししおどり)など本県の民俗芸能を主軸に描く漫画「鬼踊れ!!」が、週刊漫画TIMES(芳文社、東京都)で連載されている。作者の篠原ウミハルさんは、北上市の北上・みちのく芸能まつりで鑑賞した芸能の数々に感激し、執筆につながった。単行本の第1巻も刊行され、物語を通してその魅力を全国に紹介している。

 作品の舞台は都内の私立高校。新任教諭の県宗介は民俗芸能部の顧問となり、芸能に込められた心や伝統を学びながら、岩手県出身の女子生徒小田島紬ら部員と共に活動していく―という粗筋。連載は2017年7月にスタート。運動着の上に帯を締める練習時の姿や細かな舞の所作など、なじみの深い光景も丁寧に描写されている。

 篠原さんは京都府出身で、代表作は「図書館の主」。友人らとの旅行で10年ほど前に花巻市を訪れた際、鑑賞を勧められていた鹿踊を見られなかったため、後に本県を再訪。同まつりでは「鹿踊や鬼剣舞、七頭舞などは今まで見たどんな芸能より激しく力強く、目が離せない」と魅せられた。

 以来訪問を重ね、「こんないいものを知らないのはもったいない。初めて見た時の感動を少しでも伝えたい」と決意。執筆に当たっての取材では、北上市の岩崎鬼剣舞保存会や鬼の館、二子流東京鬼剣舞などから協力を得た。

 今後のストーリーでは鬼剣舞を中心に、鹿踊やその他の民俗芸能も登場する予定。篠原さんは「縁もゆかりもない自分が岩手の郷土芸能について語るたびおこがましいと思うこともあるが、岩手の方々の感想を拝見するにつけ、懐の広さと温かさに触れて頑張れる」と応援に感謝。「観光、取材のたびに出会う人が優しく接してくれる。今年もできるだけ訪れたい」としている。

 「鬼踊れ!!」は不定期連載で、同雑誌は毎週金曜発売。単行本1巻は税抜き590円。問い合わせは同社=03(3815)1521=へ。

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