対等な存在で動物描く 萬鉄五郎記念美術館八丁土蔵ギャラリー 菊池さん(奥州)が個展【花巻】
奥州市水沢区の画家・菊池咲さん(31)の個展「境界」は、花巻市東和町の萬鉄五郎記念美術館八丁土蔵ギャラリーで開かれている。日本画のテクニックと画材で動物たちの姿を描いた独特の作品世界が訪れた人の関心を集めている。2月18日まで。
菊池さんは奥州市生まれで、東北芸術工科大芸術学部美術科日本画コース卒。2012年の岩手芸術祭日本画部門芸術祭賞など多くの受賞歴があり、14年には県美術選奨を受けた。花巻市で個展を開くのは初めてで、今展には大小17点を出品している。
このうち「視線」は、岩絵の具や水干絵の具、墨、胡粉を駆使した縦横2メートル超の大作。原寸大のシカ7頭が真っすぐに鑑賞者を見詰める力作で、菊池さんの「かわいいかわいくない、害獣、絶滅危惧種など、人間が勝手に決めた枠にとらわれず、対等な存在として動物たちを描いてきた」という言葉を裏付ける。
入場無料。月曜休館。問い合わせは同美術館=0198(42)4402=まで。