「岩手県の山」を改訂 ルート解説、危険箇所も 藤原さん、照井さんが共著【花巻】
花巻市湯口の藤原直美さん(68)と同市中根子の照井克行さん(67)は、分県登山ガイド「岩手県の山」を共著した。1993年の発行で、今回が2度目のリニューアル。登山道の写真や解説文を全面的に改訂したほか、大開きの地図、高山植物の写真などを追加した。2人は「本を活用し、体力に合わせて安全に登山を楽しんでほしい」と話している。
「山と渓谷社」の分県登山ガイドシリーズは、都道府県ごとに発行。今回の全面改訂に際しては、冬山を除いて県内各地を改めて取材し、藤原さんは早池峰山や経塚山など44カ所、照井さんは焼石岳や栗駒山など14カ所の計58の山(コース)を紹介している。
奥羽山系、北上山系をそれぞれ北部、中部、南部に分けて解説。初心者を想定した歩行時間のほか、歩行距離、5段階表記の技術度・体力度、登山適期、交通アクセスなどを掲載した。書き直した文章は「実際に登っているような臨場感を意識した」(藤原さん)といい、登山道からの絶景スポットや休憩適地、危険箇所など新たに撮影したチェックポイントの写真も盛り込んだ。
天候など良好な撮影コンディションを求めて数回登った山もあり、2014年秋から3年がかりで完成させた。「岩手県の山の花」として、57種類の写真と花期、見られる山を色系統別に分類してまとめるなど新たな試みも加えた。
2人とも登山歴は40~50年になるといい、「登山道の形状や植生は変化しているし、新しい道路ができて登山口へのルートも変わっている」と説明。藤原さんは「岩手は面積が広く、山もバリエーションに富んでいる。里山などの山歩きから本格的な登山まで対応するガイドブックになった。標高の低い山でも無理のない計画を立てて登ってもらいたい。クマの対策も重要だ」と語る。
照井さんは「大きな地図が載り、前よりも使い勝手が良くなった。山々の概要がイメージできるので県内外の人たちに参考にしてほしい。夏山でも服装や装備を万全にして山登りを楽しんでもらいたい」と話している。
A5判、152ページ。1900円(税別)。県内の書店で販売している。