「銀河鉄道の父」注目集まる 関連作の特集コーナーも【花巻】
第158回芥川・直木賞の発表から一夜明けた17日、花巻市ゆかりの直木賞受賞作「銀河鉄道の父」(門井慶喜著、講談社)が市民の注目を集めている。同市矢沢の宮沢賢治記念館には報道各社から取材申し込みが寄せられたほか、市内図書館や書店でも関連作を集めたコーナーを開設。関係各所が対応に追われた。
このうち同市若葉町の花巻図書館では、所蔵の門井さん作品を特設展示するなどし、市民の要望に対応。同館貸し出し可能な2冊には既に10件を超える予約申し込みが寄せられているほか、同市高木の銀河モール花巻内書店などでも開店から多くの人が買い求め、市民の関心の高さを示している。
賢治については多くの書籍が出版されている一方、その父を軸に描かれた本はそれほどなく、その点も読者の関心を集める一因となっているとみられる。
賢治の弟・清六さんの孫で同館の宮澤明裕学芸員は「長男の賢治に大切に接する父親像が、明るい印象で描かれていると感じた。皆それぞれの賢治像を持っていると思うが、それを知る一つのきっかけになるのではないか」と話している。