奥州・金ケ崎

角灯手に火たき登り 熊野神社蘇民祭 激しい争奪戦も【奥州】

激しい肉弾戦が繰り広げられた蘇民袋争奪戦
▲下帯姿の男たちが燃え盛る歳戸木に登り、気勢を上げた「火たき登り」

 400年以上の歴史を持つ奥州市江刺区伊手の熊野神社蘇民祭は、20日夜から21日未明にかけて同神社などで開かれた。冬の冷え込みの中、下帯姿の男たちが燃え盛る歳戸木に登って気勢を上げた火たき登り、勇壮な蘇民袋の争奪戦などが行われ、五穀豊穣(ほうじょう)、無病息災を祈願した。

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 20日夜は総代、保存会役員、厄年代表らが祭りの無事執行を祈るご膳上げで始まり、角灯を手に行列を組んで供物や祭り道具一切を神社に運ぶ四角登り、境内での例大祭などと続いた。

 火たき登りでは、丸太を井桁積みした歳戸木に火が付けられ、下帯姿の厄男らが次々と駆け上った。火の粉と煙を浴びながら歳戸木の上で角灯を高らかに掲げ、力強く掛け声を上げる男たちの雄姿に、観衆はカメラを向けながら見入った。

 別当が行列を従えて蘇民袋を神社に奉納する別当・袋登り、鬼子登りに続き、蘇民袋争奪戦が開始された。蘇民袋の口前をめぐり、男たちは堂内、境内、参道から地区内まで激しい肉弾戦を繰り広げた。

 2018年江刺甚句まつり42歳年祝連紀焔(きえん)会の及川敦会長(39)=同区岩谷堂字下苗代沢=は争奪戦を終え、「疲れたが、厄は払うことができたと思う。仲間たちと貴重な経験ができて楽しかった」と、くたくたになりながらも充実感をのぞかせていた。

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