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震災の教訓 地域防災へ 三陸復興フォーラム 識者らパネル討議【岩手】

地域防災とコミュニティーをテーマにした討議などが行われた「いわて三陸復興フォーラム」

 「いわて三陸復興フォーラム」(県、いわて未来づくり機構主催)は26、27の両日、盛岡市などで開かれた。最終日は同市でパネルディスカッションなどが行われ、東日本大震災の教訓を生かした地域防災やコミュニティーの在り方について探った。

 震災の記憶の風化を防ぐとともに、復興や地域づくりの推進につなげる目的で開催。最終日は約200人が参加し、基調講演や高校生による合唱が行われた。

 パネルディスカッションでは、新潟県の中越防災安全推進機構マネジャー山崎麻里子氏、大槌町の安渡町内会長佐々木慶一氏、釜石市の釜石リージョナルコーディネーター協議会統括マネジメント二宮雄岳氏、大槌町震災検証室長小山雄士氏の4人が「希望をつなぐ地域防災とコミュニティー」をテーマに討議した。

 地域コミュニティーが防災に果たす役割について、佐々木氏は「コミュニティーにおける“共助”は、有事の際に最大の防災となる」と強調。「ご近所付き合いの安心感や幸福感を得るのがコミュニティーのベース。その延長線上で互いのことを知り、有事の際には『この人は足腰が悪いから助けてあげよう』などといった行動につながる」と述べた。

 今後の地域と復興の在り方については、二宮氏が「もはや行政が何でもやってくれるという時代ではなく、被災地であっても自分たちのことは自分たちでやらなければならない」と指摘。少子高齢化などの地域課題を抱える中、復興の先を見据えて将来を考える必要があるとし、「この地域でどう暮らしたいかをしっかり意識し、地域の力で課題を解決する仕組みをつくっていくことが大事だ」と呼び掛けた。

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