北上・西和賀

極寒耐え息災祈願 沢水に漬かり雄たけび 長松垢離とり【西和賀】

極寒の中、冷水に入り身を清める下帯姿の男たち

 西和賀町指定無形民俗文化財の「長松垢離(こり)とり」は28日、同町湯之沢地区で行われた。極寒の中、参加した下帯姿の男たちが威勢の良い掛け声を上げながら沢に飛び込み、冷水に漬かりながら今年1年の無病息災を祈った。

 盛岡地方気象台によると、同日の湯田は最高気温(午後5時現在)が氷点下1・5度。真冬日の中、地区民や祭り愛好者ら町内外の男性27人が、下帯姿で山祗(やまづみ)神社を出発し、500メートルほど南側にある岩滑(いわなめ)沢を目指して雪道を一気に駆け下りた。

 周囲には1メートル以上の高さまで雪が積もり、うっすらと氷が張った沢の水は想像以上に冷たかった様子。男たちは1人ずつ水に入って大声を張り上げ、全員が入ると手をつないで輪になり、水しぶきを上げながら首まで漬かって身を清めた。

 毎年参加している山﨑浩行さん(56)=同町湯本=は「沢から上がった時にふんどしが凍るほど、近年では今年が一番厳しかった。本当にしんどかった分、例年以上に健康で過ごせる年になってほしい」と語っていた。

 湯之沢裸まつりともいわれるこの行事は、かつて赤石鉱山で栄えた旧長松地区で300年以上前から伝わる年中行事。山祗神社の「山の神」の年越しに当たる旧暦12月12日に毎年行われている。

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