県内外

一般会計9533億円 県の2018年度予算案 震災以降で最小規模 最優先は復興・復旧【岩手】

交流人口拡大策も

 県は5日、2018年度一般会計当初予算案を発表した。予算規模は前年度当初を263億8500万円(2・7%)下回る9533億4800万円で、東日本大震災以降で最小の予算規模となった。「県民の明日への一歩と共に進む予算」と銘打ち、東日本大震災からの復興、16年の台風10号災害の復旧・復興を最優先に取り組む。最終年度となる「いわて県民計画」と、「県ふるさと振興総合戦略」の取り組みを着実に推進するほか、19年のラグビーワールドカップや20年の東京五輪・パラリンピックを通じた交流人口拡大などの施策を盛り込んだ。当初予算案は15日開会の県議会2月定例会に提出される。【2、3面に関連】

 震災対応分は、前年度当初比6・4%減の2849億700万円。復旧・復興事業の進捗(しんちょく)に伴い、災害復旧事業費が減少したほか、道路や災害公営住宅などの普通建設事業費が減少したことで減額となった。通常分は前年度当初比1・0%減の6684億4100万円。台風10号災害への対応分は河川改修などで172億円を計上した。

 歳入は県税や諸収入などの自主財源が前年度当初比0・5%減の2743億2300万円、地方交付税や県債などの依存財源は同1・4%減の3941億1800万円。県税収入は、個人所得の伸びによる個人県民税の増収の一方、法人事業税と不動産取得税の減収が見込まれ、前年度当初とほぼ同水準の1326億1200万円を計上。

 地方交付税は、国の地方財政対策の内容などを総合的に勘案し推計した結果、前年度当初比2・6%減の2126億2200万円を見込む。震災復興特別交付税は、同0・5%増の777億2200万円と推計する。

 歳出は人件費や公債費などの義務的経費が3013億300万円と前年度当初比3・2%減。投資的経費が939億9200万円で同3・7%増となる。

 人口減少などに対応し「岩手で働く、育てる、暮らす」の取り組みを推進する県ふるさと振興総合戦略関係は、約380事業で、総額約1640億円と見積もっている。

 達増拓也知事は5日の会見で新年度予算の位置付けについて「復興や復旧・復興の現場にいる被災者やそれぞれの地域で働く人たち、ふるさとで生活する人が共通してイメージできるよう明日への一歩という言葉にした。事業を1年かけて実施して、次期総合計画につながるような形でやり遂げたい」と述べた。

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