北上・西和賀

地域と歩むものづくり ユーティーオー 「企業価値認定」輝く【北上】

企業価値認定証を手にする宇土代表取締役(前列中央)とユーティーオー岩手工場の社員

 北上市下江釣子に自社工場を持つカシミヤニット製造のユーティーオー(本社東京都港区、宇土寿和代表取締役)は、企業価値協会(武井則夫代表理事)から企業価値認定に選ばれた。注文に応じて高級カシミヤニットを商品化するカスタムオーダー方式を展開し、同市のふるさと納税返礼品としてもカシミヤセーターやストールなどが好評を得るなど地域にも貢献。社員らは「自分たちの仕事が評価された」と自信につなげ、さらなる邁進(まいしん)を誓った。

 同認定は、企業が持つ特徴的な価値を評価して認定する制度。2014年から年2回認定し、18年上期は15社・団体が新規に認定された。

 同社は1992年創業。アパレル業界は分業化や海外生産が中心となっている中で、同社はカシミヤニットの企画から製造、販売までを国内で一貫して行っている。東日本大震災発生の2011年に同市へ岩手工場を設立。同工場で製造したカシミヤニット製品は、国内外の利用者に愛用されている。

 同工場(遠藤政治工場長)の社員は11人。「北上を高級カシミヤニットの聖地に」を理念に掲げて一品一品真心を込め製造し、ブランド力を高めている。遠藤工場長(74)は「企業価値認定はものづくりへの執念が評価され、北上で製造に携わっていることを誇りに思う」と喜びを語った。

 同社は震災被災者の支援のために売り上げの一部を市に寄付するなど、地域と共に歩む。一方でインターネット通販で海外にも販路を拡大している。宇土代表取締役(67)は「認定を機にこの業界のモデルとなるように努め、カシミヤニットの世界的なブランドを目指したい」と意気込み、北上とのつながりをさらに深めていく決意を示した。

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