花巻

作業動画で産地発信 JAいわて花巻ザ・リンゴスター 出前授業用の新企画

JAいわて花巻管内の若手リンゴ生産者でつくる「THE RINGO STAR」のメンバー
1年間の栽培作業を収録する動画制作で、剪定作業を撮影するメンバー

 地元産リンゴの栽培技術向上や販売促進に取り組むJAいわて花巻果樹生産部会の若手グループ「THE RINGO STAR(ザ・リンゴスター)」(宇津宮邦昭会長)が活動の幅を広げている。2017年度は新たな試みとして、小学校の出前授業で活用する栽培作業動画を撮影。「地元においしいリンゴがあることを多くの人に知ってほしい」と産地発信に積極的だ。

 同グループは14年、管内の若手リンゴ生産者18人で設立。メンバーを拡大しながら研修会などを通じて技術や品質の向上、交流を図る一方、11年にデビューし、同JAが県内一の栽培面積と生産量を誇る県オリジナル品種「紅いわて」のPRなどに取り組んできた。

 特に力を入れるのが食育活動で、同部会による花巻市内の学校給食へのリンゴ供給に合わせ、リンゴの種類や歴史、生産・消費量などを解説する出前授業を実施。未就学児に対するリンゴ贈呈や収穫体験なども行う。

 今年度は児童を園地に招く「青空授業」を新たに企画したほか、来年度の出前授業に向け、年間を通した栽培作業や作業現場の思いを盛り込んだ動画を制作している。

 春の授粉や花摘みに始まり、夏は摘果、秋は着色管理など季節ごとに作業工程を収録。1月26日には同市石鳥谷町の宇津宮果樹園に集まり、冬の剪定(せんてい)作業と、ビートルズのアルバム「アビイ・ロード」を意識したポスター用写真を撮影し、メンバーは「黙々と木に向き合う剪定が、昔ながらのリンゴ農家らしくて一番好き」「1年間手をかけてリンゴがおいしくなることを感じてもらいたい」と話していた。

 出前授業を受けた児童からは「リンゴは何カ月もかけて作られていて、中でも摘果が一番大事だということが分かった」「これからも甘くておいしいリンゴを作ってください」などのメッセージが寄せられている。

 今後は市外の学校への活動展開なども視野に入れており、宇津宮会長(42)は「自分たちの活動が、管内の生産者にとって明るい話題になれば。子供たちが将来、県外に出た時に『岩手のリンゴっておいしいんだよ』と広めてくれたり、リンゴを作りたいと思う人が出てきてくれたらうれしい」と話している。

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