一関・平泉

園芸ハウス任せて 若手農業者建設組合 冬季限定で活動【一関】

冬季だけ活動している園芸ハウス建設組合の(右から)菅原組合長と鈴木さん。今季は新規就農する那須さん(左)のトマト栽培用ハウスを新築した=一関市東山町長坂

 一関市に農業用ハウスの建設を冬季限定で請け負っている組織がある。業者の減少を受け、地元若手農業者が仲間で立ち上げた園芸ハウス建設組合。毎年12月から2月までの農閑期に活動し、丸4年となった。今季は同市東山町で新規就農者のトマト栽培用ハウスを新築し、農家ならではの発想で腕を振るっている。

 組合はJAいわて平泉トマト部会担い手班の20~40代の18人で組織し、旧東磐井地域を活動範囲にしている。始動したのは2013年。農業用ハウスを建設する業者が減ったため、「自分たちのハウスは自分たちで建てよう」と考えたのがきっかけ。ベテランの指導を受けながら1棟、2棟と完成させるうちに技術と自信を付け、組合を組織し、冬に収入を得られる仕事として請け負うようになった。これまでに40棟以上を建設し、雪や凍結など厳しい環境での作業にも慣れ、組合員の練度は全体的に上がってきているという。

 最優先しているのは、農家にとっての使いやすさ。部材屋から届いた設計図を、使う人に配慮してがらっと変えたりもする。菅原清組合長(39)=同市大東町曽慶=は「どうせなら良い物を建てたい。もうちょっと高さがあった方がいいとか、自分たちも農家だからこそ気付くこともある」。

 こうして積み重ねてきた経験と知識を生かしながら、今季はトマト農家として新規就農する同市東山町長坂の那須一樹さん(32)のハウス6棟を新築した。事務局の鈴木弘也さん(39)=同市東山町長坂=は「パイプハウスでは今まで建てた中で一番の強度。鉄骨ハウスより安価で、風にも雪にも強い」と胸を張る。1人なら半年はかかる規模だが平均10人前後の組合員が整地から手掛け、約2カ月で作り上げた。

 作業時間は、組合員が冗談を言い合いながら農業経営について情報交換できる機会にもなっている。春から本格的に農業に取り組む那須さんもその輪に加わり「先輩方にいろいろとサポートしてもらえ、すごく心強い。不安はあるが楽しみでもある」と笑顔を見せた。

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