県内大雪 市民生活に影響 交通乱れ、落雪で2人負傷【岩手】
低気圧が発達しながら北日本を通過した影響で、14日の県内は大雪に見舞われた。県が15日現在でまとめた被害状況によると、盛岡市内でビルからの落雪で車のフロントガラスが破損し、2人が負傷した。このほか鉄道などの公共交通機関や道路、ライフラインなどにも影響があり、市民生活は大きく乱れた。
14日夜に災害警戒本部を設置した県と盛岡市をはじめ16市町村は、15日午前7時までに廃止。盛岡地方気象台によると、降り始めの14日昼ごろから15日午前6時までの降雪量は、宮古市区界で51センチ、盛岡で34センチ、一戸町奥中山で44センチとなるなど、県央・県北部を中心に大雪となった。
県によると、15日未明に盛岡市大通の路上で、停車していた車と車外にいた50代の女性運転手にビルの屋上から雪が落下。運転手とフロントガラスの破片で助手席の同乗者が軽傷を負った。
道路関係では、14日夜に雫石町と秋田県仙北市を結ぶ国道46号の仙岩トンネルの秋田県側で雪崩が発生。同トンネルを含む延長約14キロが15日正午まで通行止めの措置が取られ、トンネル内では約30台の車両が一時立ち往生した。また、積雪の影響で宮古市小国-遠野市土淵町間の国道340号の立丸峠が一時通行止めとなり、宮古市小国-大槌町戸沢間の主要地方道大槌小国線では雪崩の恐れがあるとして通行止めの措置が取られた。
JR盛岡支社によると、列車関係では釜石、山田、田沢湖、花輪の各線に影響があり、15日は区間を含め28本が運休、2本に遅れが生じ、約2000人の足が乱れた。このほか、新幹線関係では、水沢江刺-北上駅間の上り架線に付着物が見つかった影響で東北・秋田新幹線の上り2本に若干の遅れが生じ、盛岡駅では「はやぶさ・こまち号」が車両の切り離しができず下り2本が区間運休した。
東北電力岩手支店によると、雪による倒木などの影響で盛岡市と滝沢市の一部で約300戸が一時停電した。
同気象台は「降雪の多かった傾斜地では雪崩に注意してほしい」と呼び掛けている。